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透明な虹色の光

凄い日 (odol × PELICAN FANCLUB共同企画)

 

「2マンライブって2つのバンドがお互いの曲のコラボして一緒に演奏するんだと思ってた!」っていう人、いるじゃないですか。実際私もそうだったし。「いやそれは凄すぎるから!色んな意味で!」ですよね、そりゃそうだ。

でもね、本当にあったんだったんだこれが。
この日しかこの世に存在しない、もはや 1つのバンド の一夜限りのライブを観た。

 

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このイベントのメインビジュアルを模した青と黄色のライトとど真ん中に"凄い日"の文字が投影されたステージには10人分の機材が敷き詰められている。
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「凄い日」は、2バンドが合わさり1つのライブを作っていくイベントである。
(odol × PELICAN FANCLUB 共同企画「凄い日」特設サイトより抜粋 http://pelicanfanclub.com/sugoihiodol/ )
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そうは言ってものっけから"凄すぎる"インパクト。なんと〈記憶について / PELICAN FANCLUB〉のコラボからスタート。ミゾベリョウ(Vo&Gt odol)とエンドウアンリ(Vo&Gt PELICAN FANCLUB)が交互に歌うと、その相性の良さにこの2バンドがお互いシンパシーを感じていることに納得。この日のどのコラボでも8人の演奏は相当なリスペクトがないと実現不可能な一体感でボーカル陣の声を包み、会場一人一人の中を通り取り込んでいった。

そして何と言っても転換が無いのが見どころの1つ。odolからPELICAN FANCLUBに変わる時自分達の演奏で繋いていたのが素晴らしかった。

 


◯PELICAN FANCLUB
何故こんな気になってしまうのだろう。誘われる誘われるいざなわれる。一瞬で頭が乗っ取られた。
私が認知できているのは表面だけで、その深層には水を溜めた水槽に絵の具を垂らし、また別の色、さらに違う色を垂らしたのが混ざり合い別の色を生むように濃度の濃い感情が渦巻いている。もっとそれを見たくなる。「現実の度が過ぎていく」という〈Dali〉の歌詞はこのバンドの世界観をよく表しているように思う。モノクロを目眩がするようなビビットカラーに魅せることが出来るバンド。一度聴いただけの人にしっかり自分達の跡をつけられる音楽。


◯odol
一言発する度に世界が創られていく。一音一音の連なりが果てなく美しい。何処でもない遠くを見ているような感覚になり自分の中の時間感覚が操られる。人の記憶に作用する音楽。思い出の儚さを心地良く感じさせる優しさと抗えない切なさを兼ね備えていて、丁寧に丁寧に音楽に向き合っている印象。繊細だけど確立されていて、でも握ったら壊れてしまいそうに見えるけどしっかり芯がある。心が荒んだらodolに浄化してもらおう。個人的に、〈years〉のMVの01:26、03:30、03:45で左イヤフォンから聴こえるギターの音がものすごく好き。


この2バンドがひとつになって音楽を鳴らしたらどれだけ素晴らしい空間になることかは想像に容易いが、実現するのはかなりの労力が要るはず。ありがとう。初めてこの2バンドを観るには確実に贅沢すぎる時間だった。