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透明な虹色の光

マザーロード / Saucy Dog

 

 「冷静でありながら想像力を押し拡げる」

Saucy Dog の歌詞について。

個人的に好きで一番よく聴いている〈マザーロード〉という曲を選んでみました。

 

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"左の通りを抜けて 古びた商店街へ
シナリオ通りの雨に
向こうの空は笑っているよう"
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ごく普通の暮らしのワンシーン。
誰もが思い浮かべることができる日常生活の片隅に顔を描く詩。
例えばその辺のよく見る小さな花なんかに、ちょこっと表情がつけられる。それはCGや小難しい技術を使うのではなく、ペンケースに入っていた油性ペンで落書きしたような愛嬌のある顔だ。

 

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"ルート66号線の終わり サンタモニカ夜明け前午前5時"
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ルート66号はかつて、その先にある希望を求めた人々が通った道。
その終わりにいる夜明け前の午前5時。これから朝になり日が昇る頃には目指した場所に着くのだろう。
しかし

 

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"口を開けば声が揺れて まぶたを閉じれば今に じんわり熱くなる目の奥に 浮かぶのは何故か 笑顔ばかりなんだよズルいなあ"

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とくる。
この部分のすっと入ってくる心象描写は、本当の気持ちがあって それは分かっているんだけど、の「だけど」の部分を自分の感覚として痛いほどに感じさせる。

 

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"みじかい雨が止んだ頃 静かに落ちて消えた 思い出がまたシナリオに書き足されていくのだろう"
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雨が止んで思い出は消える。
この思い出も決まりきったシナリオとして刻まれるが、いつも同じことの繰り返し。
冒頭の "シナリオ通りの雨に 向こうの空は笑っているよう" という言葉からも、どこか冷静な客観性を感じる。

 

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"干渉もしないで構わない日々に後戻り 振り出しに"
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ふりだし。雨が降り出しシナリオの振り出しに戻る、というこの曲全体を表す言葉に思えた。1度聴いてまた聴くと商店街の雨が違う景色に見えてくる。

 

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"最終回見逃した ドラマのエンディングは 分からないままだとさ モヤモヤするだろうほら"
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結局 この後どうなるのか知ることが出来ずに、

 

"埋まらない明日にはもう二度と笑う君は"

 

 

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この曲は メンバーチェンジ後初の音源である 1st E.P.「あしあと」の3曲目。
バンドホームページとYouTubeでは 同じく「あしあと」の1曲目に収録されている〈いつか〉のMVを見ることができます。
歌詞もついています!

私が初めて観た感想は、
「わ...!映像めっちゃきれい。声と歌詞にぴったり。」「やっぱサウシー良い。はーもう、すごい好きだなぁ〜〜!」です。(伝わる伝わる。。)

 

. . . よぅ、ちぇけらー!!