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透明な虹色の光

ひとりごと / BUNP OF CHICKEN

 

「ありがとう」のじんわり温かい気持ちと「ごめんね」のキュッとなる気持ちで作ったメロディーに乗って運ばれて行く。ドラムがそのペースを刻んでいる。

 

いつもは見えない心の裏側に着いて、その下を通って底を見上げて見つけたのは自分のために作った優しさ。
寂しそうにしているのを見て悲しくなって、
笑ってくれたら自分が安心出来るから笑わせる。
自分を押しつけている。完全にエゴを捨てて優しくするのは難しいのかも知れない。

 

言葉をかけるのはドキドキする。
押しつけになるのが怖いから。
例えば電車で席を譲るとか、最近元気がない気がする友達に「どうしたの、話聞こうか?」と言うとか。
伝える思いが流れて行ってしまうのが怖いんだ。
だから「ありがとう」と言われると「ごめんね」と思ってしまう。優しくさせちゃってごめんね、と。

優しさは自分では渡せないから、見つけてもらうことしか出来ない。
貰った全てを受け取るのは難しい。
優しい人しか優しさに気づけない。
実は優しさを貰っていてもそれに気づけなかったら、受け取れなかった分はどこに行くのだろう。
私は全部受け取れているのだろうか。
せめて気づけた分への「ありがとう」はきちんと伝えたい。

また自分が優しくありたい。

 

優しさは自分のためにあることや、受け取れなかった気持ちがあることをあなたに伝えてしまったら、どうなるのだろう。それは〈ひとりごと〉にしておくのがいいのかも知れない。